力強く舞い戻ってきた
プレリュードやMR2、セリカXXなど過去に登場したモデルの復活版を近年多くリリースしているトミカプレミアム。
一昔前のトミカリミテッド時代に回帰しているようなラインアップ構成に、また一つ新たなモデルが加わった。
それが、今回紹介するスタリオンである。
ただしこの車は少々特殊な舞い戻り方で、通常時代では5ナンバーの2000ターボがモデル化されていたが、今回は3ナンバーサイズのGSR-VRとかつてと違うボディタイプでの登場となっており、目新しさも感じられるものとなっている。
コンパクトながら、スポイラー類や大径ホイールなどの表現でエネルギッシュな雰囲気が溢れるサイドスタイル。
82年初登場、リミテッド化も後にされた2000ターボと比較してみると、そのワイドさやエアロフォルムの強調具合の違いは明らかだ。
それに加えて、両者スケールは1/62であるため、今回のGSR-VRは実車のマイナーチェンジをなぞったような、正統進化というべきサイズアップを果たしている。
持ち前のブリスターフェンダーの張り出しが光るリアビューは、マニアには絶景としか言いようがないくらいに最高なアングルだ。
ここからは細部表現。
フロントでは近年主流のナンバー枠表現や、これまでもお馴染みの灯火、バッジ表現はもちろんのこと、ボディそのものでは専用のフロントスポイラーを表現するなど、押し出しのある顔つきをしっかりと捉えている。
ホイールはGSR-VR標準の肉抜き5本スポーク。ただし純正状態で色分けが無いため、ディテールにこだわりたいという人はスミ入れ必須の箇所だろう。
リアではテールランプがクリアパーツ、ナンバー枠が塗装、MMC、スタリオンGSR-VR車名エンブレムはタンポでそれぞれ表現されている。
ボディ自体ではブリスターフェンダーの張り出しとリアバンパーの間や、リアスポイラーのボディ部とハッチ部の境界などの微妙な凹凸を捉え、リアリティを向上している他、ウィンドウ部ではCピラー部やリアハッチのモール部分はつや消しブラック塗装が施され、視覚的な重厚感も演出している。
ギミックは近年では珍しい、「左右ドア開閉」と「リトラクタブルライト開閉」のデュアルギミックを採用している。それと引き換えに現行ラインアップの大半で採用されているサスペンションギミックは搭載されていないが、これだけ搭載されていればさほど気にならないだろう。
内装では、ステアリングやメーター類の表現はやや簡素なものの、インパネやセンターコンソール、シートなどのパーツは実車形状に近づけたリアルなものとなっている。
リミテッド以来、約20年ぶりにトミカシリーズで復活したスタリオン。大胆なベースグレード変更やギミック追加で、ただのリメイクではなく、力強さも得て戻ってきた1台と言えるだろう。