今際立つ「良さ」がある
トミカ40周年を迎えた2010年の新車は得意とする国産乗用車系において、実車の新型車やFMC車発表が緩やかになったことも影響したのか、この時でしかあり得ないと言える車種が多数モデル化されていた。
その中でもほぼモデル末期に差し掛かりながら、トミカ化を果たした車種も存在する。
それが今回紹介する、三菱 トライトンの初代モデルだ。
再現されたカラーはディープブルーマイカと思われるが、トミカ版ではそれよりも遥かに薄い色味となっている。
丸みを帯びたキャビンとボクシーなフォルムを貫いた荷台の対比が現れるサイドスタイルは、一気に近代化が進んだ21世紀のピックアップトラック像その物だ。
荷台の奥行きやほぼ直角のウィンドウなど、トラックらしさ溢れるポイントが目立つリアスタイル。
ここからは細部表現。
フロントはライトがクリアパーツで表現され、特徴的な富士山型グリルの主張に負けない、バランスの取れたスタイルを実現している。
ホイールはクロカン系トミカに多用される4本スポークタイプ。
フェンダーアーチはグレーに塗り分けられ、リアリティを向上させている。
リアではテールランプが塗装、ロゴ類はタンポで表現されている。
荷台部分は、ホイールハウスの突出や溝の彫り込みが表現され、立体感を強調している。
ピックアップというキャラクターの性質上、積載性能も気になる(?)ところ。
実際にトイズキャビン製 1/64スケールガレージツールのパーツで検証してみると、パイロンが7本、ドラム缶が3本、さらにワークベンチがドンと縦に1脚積めるという結果に。トライトンが1/66スケールと積載物より少し小さめであることを踏まえると、十分すぎる性能を確保していると言えるだろう。
初の三菱製ピックアップトラックのトミカとして選定された初代トライトンは、2013年8月に一時的にラインアップから離脱したが、約10ヶ月後の2014年6月にJAFロードサービスカーとして復帰、2017年10月までラインアップされたのち、トータル6年9ヶ月というトミカでは比較的長いモデルライフを終えた。
当時はピックアップトラックの人気が下火だったことや、丁度よく積載できる小物が少なかったこともあり、珍車としての側面がどうしても強くなってしまっていたが、近年のSUVブームやトミカでの現行ハイラックス登場、カプセルトイを中心とした小物の充実で、ピックアップ系トミカのラインアップや遊び方の幅は広がりつつある。
そんな流れに乗って、来月には新型トライトンがトミカにやってくる。
今になって際立ち始めた初代モデルの良さが、新型に引き継がれることを切に願いたい。