高自由度の集合体
現在主流のクオリティを追い求めたカプセルトイミニカーで、そのカテゴリーを牽引しつづけている存在と言っても過言ではない軽自動車。
現行ジムニーのモデル化からギミック搭載も徐々に増加しているなか、ついにその中でも特に極まった物が2023年5月に登場した。
車種自体は2009年に、1/64でアオシマからリリースされていたため、実に14年ぶりの同スケール新製品だ。
そしてこのシリーズには、1/64では恐らく初のモデル化、マツダスピードもラインアップされ、バンパー、スポイラーなど専用パーツでしっかり作り分けられている。
カラーは2タイプ合わせて3色。全てカタログカラーで構成され、
全タイプ共通が
・クラシックレッド
・サイベリアブルー
の2色。
そしてマツダスピードバージョン専用カラーとして、
・ブリリアントブラック
が設定されている。
エアインテークと低全高スタイルにより、只者ではない雰囲気漂うサイドスタイル。マツダスピードはこれに加えて、リアスポイラーやボディ同色パーツでよりスタイリッシュさを増す。
丸目ランプによって、少し穏やかさを取り戻したといえるリア回り。ただしマツダスピードは2本出しマフラーとスポイラーを装備しているため、とても穏やかとは言えないスタイルへと変貌している。
細部表現に移る。
フロントではライトがクリアパーツ、ナンバープレートが立体的表現で、そこに塗装が合わさる。
通常とマツダスピードではバンパー、ボンネットが作り分けられ、後者ではエアインテークの大型化、立体化その両方が高められている。
ホイールは、通常は標準採用のスチールホイールを、マツダスピードは専用アルミホイールをそれぞれ表現している。
両者とも4輪全て脱着可能で、それぞれのホイールを交換して、マツダスピードをあえてシンプルなベース車的雰囲気にしてみたり、通常バージョンをスタイリッシュにしてみたりと、遊びの幅もコレクションの幅も広がる。
リアでは、特徴的な丸目ランプがストップランプとウィンカー/バックランプでそれぞれ色分けが施され、クリアパーツではないものの、リアリティの高さを維持している。
さらに驚くべきはマフラー部分。フィニッシャーがシルバー塗装、通常とマツダスピードでフィニッシャー本数を作り分けているという時点で十分に素晴らしいのだが、その中心部にある「AUTOZAM」ロゴがしっかりと表現されている事こそ、リア細部表現の真骨頂。カプセルトイのミニカー、しかもデビュー時400円の価格帯でここまで凝っている物は珍しい存在と言えるだろう。
さらにマツダスピードには大型スポイラーが別パーツで表現。その名残なのだろうか、通常仕様ではエンジンフード側面に若干の段差が設けられている。
細部表現で触れたホイール脱着可能に加え、選択式ではあるもののガルウィングドア開閉ギミックを搭載。大開口部を確保し迫力十分。これが意外に今まで有りそうでなかったギミックなのである。
勿論内装もハイクオリティ。
ステアリングのスポークやバケットタイプシートの細かな形状がしっかりと捉えられ、実車さながらの雰囲気。勿論後部にはスペアタイヤ表現も施されている。
ドア開閉&タイヤ脱着可能。
1/64カプセルトイミニカー史上トップレベルの自由度を誇っている、トイズキャビンのAZ-1。
これはもはや飾るだけでは勿体ない、遊ぶべき1台と言えるだろう。