待ち望んだ存在
1999年1月、実車のシルビアが7代目S15型へモデルチェンジしたが、トミカにおいては5代目S13型のまま2001年まで続投。その後同年に、7代目S15型ベースの光岡ラセードが登場したもののトミカにおけるS15型は間接的なモデル化で、一旦2007年に幕を下ろした。
しかし、近年のネオクラシックカーブームがトミカにも伝播し始め、シルビアに対してもモデル化の追い風が吹き始めた。
そうして2022年3月に登場したのが、今回紹介するS15型シルビアである。
スポーツカーヒストリーセット内での1台というやや特殊な登場となったが、注目度は発売前からセット内でトップクラスだった。
再現グレードは示されている通りSpec-Rエアロ、カラーはブリリアントブルーを模したメタリックブルーである。
妙なぼってり感がなく、コンパクトかつシャープにまとめられたサイドスタイルは、現代トミカの良い点である、妥協の無い表現を最大限引き出したものと言える。
リアスポイラー形状再現やマフラー再現などがプレミアムに匹敵するものとなっているため、ボディそのものはもちろん、より見ごたえを増す再現パーツも相まって魅力的なリアビューとなっている。
細部表現に移る。
フロントはヘッドライトおよびフォグランプが塗装となっているが、ナンバープレート、フロントバッジ表現でその緩さを相殺し、精悍な顔つきを保っている。
リアはフロント同様にランプ類は塗装だが、単色で片付けること無く、ストップランプとウィンカーでしっかりと塗り分けが行われているのが素晴らしい。
リアスポイラーも特殊な形状ながら別パーツで立体的に表現。
CIや流体字の車名ロゴはタンポにて再現されている。
シートやインパネ形状も実車に限りなく近いものとなり、内装面でも再現に一切妥協がない。
またオーディオ部分には1DINサイズのオーディオもしくはカバーと思わしきものと、小物入れが確認でき、それぞれ深みを変えて作っている点が非常に素晴らしい。
バリエーション展開は、現時点ではオートサロン記念トミカのみ。イエローカラーを纏っているが、実車純正のイエローよりも、現行フェアレディZのイエローに近い色味となっている。
初登場からもうすぐ2年。更なる進化として、来年1月にはプレミアム化も決定しているトミカのS15型シルビア。
通常版トミカでここまでこだわりを見せた当車が、来年どこまで進化するのだろうと想像するだけでワクワクする。
そういった意味でもトミカのS15シルビアは、待ち望んだ期間の長さに見合った、新たな進化を提供してくれる1台である。