いつかは、懐かしくなるんです
2002年。今からもう22年前のことになる。
21世紀突入で新たなクルマ像が模索されるなか、デザインもヨーロピアン風の丸みを帯びたスタイルや固定観念を一掃するような個性派など、主に若いユーザー層にも響くようなものをと、各メーカーが模索していた時期でもある。
もちろん、これから紹介するクルマも例外ではなかった。
これまでも若者に必要なクルマの新たな形を提案してきたキューブが、「部屋感覚」を身につけてフルモデルチェンジ。
しかし先代同様に1/64サイズのミニカー化には恵まれず、2023年4月にようやく組立式ではあるが、カプセルトイミニカー枠で登場を果たしたのである。
再現されたのはホイールの特徴から、最上級グレードのEXと考えられる。
ボディカラーは充実の6色。全てカタログカラーで構成され、
・エアブルー
・クリスタルブルー
・パプリカオレンジ
・アイボリーホワイト
・スーパーブラック
・ダイヤモンドシルバー
と、有彩色から無彩色まで満遍なく設定されている。
ただし、個人的には無彩色枠のどれかひとつを削って、前期専用カラーの「ビーンズ」を入れてもよかったのではないのだろうかと思う。
「四角」がとことん意識されたサイドスタイルはミニカーでも健在。ただカクカクなだけでなく、カドが取れた親しみやすさもあるフォルムである。
今でも新鮮に写る、左右非対称フォルムが目立つリア。
側面ウィンドウと違和感なく繋がり、どこの面から見ても滑らかなスクエアスタイルを表現していることが分かる。
細部表現に移る。
フロントではライトとアッパーグリルが一体パーツで表現され、ロアグリルは塗装となっている。前者に関してはユーザー自身での取り付けが必要となる。
ホイールはスクエア形状を突き詰めた、EXグレード標準の個性派8本スポークタイプ。
リアではハッチがユーザー取り付けの別パーツで表現。テールランプや窓枠だけでなく、マフラーもスクエア表現で、統一感を感じられる造りとなっている。
そしてこのキューブにはリアハッチ開閉ギミックを搭載。外板部分と可動部分が一体となってひとつのギミックを作り上げている。
6色全てでドアを開けると、非常に壮大な眺めに。
開口部も大きく、文句無しのアイデンティティ表現と言える。
日産のヒットモデルにして個性派モデル。
Z11キューブを街で見かける機会が少なくなった今、「新しめなのに懐かしい」という、非常に不思議な気持ちにさせてくれる1台と言えるだろう。