+αの恐るべき力
今までトミカになってない車種すらも巻き込み、更なるクオリティの追求を行っているトミカプレミアムの前身として、2002年から2013年にかけて存在したのがトミカリミテッドである。
このシリーズは既存の金型をベースとしてディテールアップを図るシリーズであったが、その時代の現行モデルの上級志向版も積極的にモデル化していた。その中の1台が、今回紹介するGDB型インプレッサWRX STiである。
ベースとなったのは当時No.54にラインアップされていたインプレッサWRX。
通常では固有エンブレム時代のWRX NBを表現していたが、リミテッドでは01年マイナーチェンジ、六連星復活後のWRX STiを再現、実質1グレード昇格となった。
カラーはWRブルーを模したメタリックブルーにゴールドホイールという組み合わせとなっている。
サイドビューはベース車の面影を残しつつも、ウィンドウの黒縁取りや灯火類彩色、実車形状ホイール表現などで、まるで別物の金型のようなディテールアップに成功。よりキリッとした見た目となっている。
リアではロゴ類や車名プレート表現で、通常品では判りづらかったトランクリッド回りやバンパーの輪郭がはっきりと追えるまでに進化した。
細部表現についてさらに迫っていく。
フロントではスポイラーやライト内部形状が印刷表現となり、個性際立つ顔つき。
それだけに止まらず、STiロゴ付きフォグカバーや六連星ロゴなど、標準との更なる差別化が図られたポイントが多い。
サイドでは、実車形状のホイールデザインはもちろん、サイドレンズ、STiサイドロゴも表現。サイドロゴについては文字がはっきり視認できることから、約20年前から既に細部表現技術が発達していたのが良くわかる作り込みである。
リア回りでは、ぼやけがちだったリアバンパー形状が、下部のブラック化で一気にメリハリある造りへと進化。
さらにリアトランクリッドにはエンブレムや鍵穴を新設し、磨きのかかったスタイルに更なる価値を付加している。
ギミックを犠牲にすることなく、ここまで別物へと進化させる。
プレミアムへと引き継がれた今でも、その再現技術は第一級のまま色褪せていない1台である。