ミニカーニューモデル紹介#11 トミカリミテッドヴィンテージNEO NISMO 400R


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二つの個性、ダイヤモンドの如し

1995年に発表、発売。ニスモを象徴するコンプリートモデルとして今でも多くのファンを有するのが、BCNR33GT-Rをベースとした400Rである。

実車の価値は近年急激に上昇。先日の東京オートサロンでは、ソニックシルバーの個体が5億円のプライスタグをつけ、話題となった。

ミニカー化も活発になっている当車種。その中でも「これこそベストだ」と言えるものがついに今年登場した。


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それこそが、トミカリミテッドヴィンテージNEOから登場した400Rである。

箱は大型のタイプを採用。梱包材はプラスチック型が2層、さらに本体にたどり着いても下部から右側面にかけてシートが敷かれているため、取り出すこと自体恐れ多いパッケージ構成となっている。


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しかし、それを乗り越えた先に出会える本体は、想像を遥かに越える輝きと迫力に満ちている。

カラーは400Rの象徴とも言うべきライトニングイエローを模したソリッドイエロー。

勇ましいフロントフェイス、リム部分にメッキが施されたホイールなど、全体において見所が絶えることはない。


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そして、日産系レーシングドライバーとして約20年のキャリアを誇る松田次生氏の愛車を再現した仕様も同時発売。

こちらは先ほどの箱の2倍ほどの大きさで、イラストではなく写真が印刷され、これでもかと特別感を詰め込む。

内側には松田氏へのインタビューがびっしりと記されているが、洗いざらい見せてしまっては味がなくなってしまうので、こちらは実際に入手して確かめていただきたい。


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こちらの本体はソニックシルバー。イエローのように過度なアグレッシブさはなく、落ち着きを共存させているという印象だ。


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大径ホイールに、ヘッドライト側面から延びたアイデンティティと言えるサイドストライプ。400Rのサイドビューはその特徴に触れるだけで、充分すぎるほどに魅力が伝わる。


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専用バンパーによってどっしり構えた印象のリアビュー。やはりここでもサイドストライプの存在感は健在。常に前進し続けるという意思の現れが感じられる。


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細部表現は見所の宝庫。フロントバンパーはスポイラーと一体成形ではなく、別パーツの表現でリアリティを飛躍させている。


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ミリサイズでもこだわるのがTLV流。絶妙なフォント加減により、400R固有バッジはこの小ささでも視認が容易にできる。

プレートも厚みのあるパーツで表現。通常版は現行のニスモロゴがタンポにて表現されている。

極めつけはインタークーラー。初代ニスモロゴ入りである当車のメカ的アイデンティティを損なわず、実車と変わらぬ存在感で表現されている。


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松田氏仕様では、プレートが展示用から日本のナンバープレートへ表現が変更され、フォントもそれに準じた物、色で表現されている。


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サイドのホイールは全車共通。ニスモを代表するホイールシリーズ、LMGTシリーズの初代モデルがロゴ入りで表現されている。

センターとリム部分はクロームでの表現となり、重厚感を高めている。


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サイドストライプは両者カラーが異なっている。

通常版では代表的なシルバー塗装で、外装色に対する適度な溶け込みを実現。


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対する松田氏仕様はブラック塗装で、通常版に比べて自己主張を強めた形となっている。


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リア部分では、スポイラーが土台と主翼で別パーツになっている他、専用バンパーでどっしりと構えた印象に。ただ下方向に伸ばすのではなく、凹凸もしっかり表現されているのがポイントだ。

400Rバッジやトランクリッドセンターのオーナメントはタンポでの表現である。


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松田氏仕様ではフロント同様ナンバープレート意匠変更が施され、その他は特に追加や変更点はないかと思いきや、


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なんと、日産プリンス山口のディーラーステッカーがタンポでリアウィンドウ下部に追加表現されている。これはミニカー史上初の試みではないだろうか。


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内装は全車共通。ニスモロゴ入りバケットシートが装備されている。


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それだけではなく、ステアリングもニスモ専用物で表現され、3月発売予定の通常BCNR33GT-Rと完全な使いまわしにしていないというのが非常に素晴らしい。


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日本生まれのミニカーブランドで実現した、日本生まれの伝説の並び。

車自体のファンにも、レーシングドライバーのファンにも刺さる一品を1/64サイズに落とし込んだのはトミカリミテッドヴィンテージNEOだけだろう。

実車が再評価され、高い価値をつける今、このモデルもダイヤモンドのように個性が光る存在であることに間違いはない。