質感良し、ギミック良し
ここ10年で著しいクオリティアップを果たしているマジョレット。日本においてはカバヤがテーマに合わせた10車種を選定して一定期間販売する方式をとっており、その度に完全新規モデルが注目を集める。
そんな中12月、「イタリアンコレクション」にて登場した完全新規モデルの1つが、アルファロメオの小型SUV、トナーレである。
カラーはモントリオールグリーンを模したダークグリーン、グレードはそのカラーを踏まえると、日本仕様におけるエディツィオーネスペチアーレが再現されているものと思われる。
アグレッシブな印象を感じさせる前傾姿勢のサイドスタイルは、ミニカーになっても健在。ピラー塗り分けや大径ホイールもその印象を高める要素となっている。
リアスタイルでは、フロント再現はなかったU字型3連ランプがしっかり再現。リアゲート中心部のくびれも表現され、実車通りの美しさを全面で犠牲にすることなく表現している。
ここからは細部表現。
フロント部分ではアルファ伝統の盾形グリルを深みを加えて表現している他、その先にあるメッシュ部分も黒塗りではなくしっかり立体的に表現されている。フロントライトはクリアパーツでの表現となっている。
ホイールには実車純正に採用されている「テレダイヤル」デザインとかなり似た物を採用。
独自のホイールデザインが目立つ、3桁価格台の3インチクラスミニカーではかなり珍しい試みだろう。
さらにホイールの奥にはブレーキディスクと思われるものも再現されており、とことんリアリティにこだわっていることが分かる。
リアでは、先ほどスタイルで述べたU字型3連テールランプの他、トナーレ流体字ロゴなどがタンポで再現。ヨーロッパ圏ナンバー枠や排気口などがシャシ一体で表現されている。
ギミックは左右ドア開閉を採用。トミカにおいて縮小傾向にあるものを新製品に積極的に採用している点は、マジョレットの強みと言える。
開けた先にある内装も1ランク上。インパネデザインの再現はもちろん、犠牲になりがちだったステアリングデザインも、スポークの傾斜、センターパッドとスポークの凹凸込みで表現されている。シートに関してもサイドサポートやヘッドレスト形状など全てにおいてリアリティある表現となっている。
質もギミックもすべて良し。マジョレットのトナーレは、こだわりを一切犠牲にすることなく極められた1台だろう。