熱い時代に敬意を表して
BTCCやSTWに代表される、90年代のトップクラスモータースポーツの1種が、スーパーツーリングと呼ばれるツーリングカーを用いて行われたレース。
日本も例外ではなく、94年から98年にかけて、JTCCと呼ばれるクラス2規定のツーリングカーレースを展開していた。
そんなJTCCにおいて、96年から97年にかけて猛威を振るった1台が、アメリカ生まれのミニカーブランド、ホットウィールより新登場した。
それこそが、ホンダ アコードである。
モデルとなったのは投入初年度の96年式、通称1Xと呼ばれる仕様。オーバーフェンダーが許されていない年のモデルながら、その迫力は充分に感じ取れる。
カラーはオリジナルと思われる白/青/赤のトリコロールカラー。当時のホンダCIや車名ロゴ表現などから、グランツーリスモ2にあるチューニングメニュー、レーシングモディファイのエッセンスも感じられる。
市販車から大きくフォルムを変えず、攻撃的なスタイルにしているのがクラス2ツーリングの醍醐味。
大径ホイールにこのグラフィック。JTCCカラーでなくともここまで違和感のない仕上がりは、さすがカスタムを得意とするミニカーメーカーだ。
センター1本出しマフラーとリアスポイラー。フロントよりも攻撃的かもしれないリアビューには、車名ロゴが大きく表現され、レーシングカー特有の自己主張も欠かしていない。
細部表現に移る。
フロントはヘッドライト、ウィンカーレンズ共に内側の彫り込みまでタンポで表現されている。ツーリングカー仕様特有のスポイラーはボディ一体型、サイドのダクトも立体的に表現されている。
ホイールはブロンズ塗装の、大径5本スポーク。オーバーフェンダー解禁前のシンプルさ残るサイドビューをホイールで補填し、フロントの迫力を保っている。
リアではスポイラーが別パーツ、テールレンズはフロント同様タンポにより表現。CIと車名ロゴもタンポでの表現。マフラーは塗装されてシャシ一体での表現となっている。
車内をよく見ると、ロールケージが組み込まれている。ここには、決してガワだけではなく、内部までしっかり作り込むというこだわりを感じられる。
熱い戦いが繰り広げられた90年代の雰囲気そのままにミニカー化された、ホットウィールのアコード。
価格が2,000円を越えるのが当たり前な高価格帯3インチミニカーとまた違う、レーシーな雰囲気。それでいてチープさを感じさせない重厚感。
ツーリングカーの良さとホットウィールプレミアムシリーズの良さを最大限ミックスされた1台といえるだろう。