モータースポーツやエンターテイメントで絶大な人気を獲得した日本のスポーツカーを数多くハイクオリティ化し、ほとんどの新品が1,000円以下のお手頃な価格で入手できるブランドがトミカプレミアム。
近年ではミニカー化車種の高年式化が進み、その結果、偶然にも同じ年、同じ月に発売されたクルマが複数ラインアップされるという偶然が生まれた。
そこで今回のミニカージャンクションは、
「トミカプレミアム」と「1999年1月」をジャンクションさせ、それぞれの車種の魅力や、今後の筆者的予想を記していく。
なおここでは、2000年代に追加された仕様でも初期型デビュー年として、ナンバリング物は単独車種扱いで1999年生まれのクルマとしてカウントする。
トミカプレミアムの1999年登場車
2014年から現在までトミカプレミアムで登場した1999年生まれのクルマは、発売順に
・ホンダ S2000 TypeS
・三菱 ランサーエボリューションVI GSR
・日産 シルビア (S15)
の4車種となっている。
残念なことに、S2000は2018年廃盤、レギュラーラインアップから外れてしまったが、その他3車種は新品で買える状況となっている。
タイトルで触れた通り、S2000を除く3車種は1999年の1月に誕生したクルマで揃っている(S2000の登場は1999年4月)。
トミカプレミアム化された、名車揃いなこの期間のクルマたちの魅力を、次の項目で1台ずつ簡単にではあるが紹介していく。
同じ生まれ月、光る個々の魅力
この項目では、2024年1月現在新品で買える、99年1月生まれな3車種の魅力を紹介する。
まずは、BNR34型スカイラインGT-R。99年1月上旬発表されたクルマだが、モデルになったのは02年1月に1,000台限定発売されたNürシリーズ。
V-specII特有のNACAダクトや01年から使われた日産CIなど、後期モデルと一目で分かる作り分け。さらに今では珍しいホイールの空洞部分のブラック塗装も、登場時から継続している。
2016年から約8年間ラインアップされていることもあって、懸賞もの、タカラトミーモール限定などバリエーションも多種多様。
メインで紹介しているホワイト個体はtomicaトランスポーターの付属もの。通常品はベイサイドブルーを模したメタリックブルーである。なお、トランスポーターは2,640円(定価)、通常品は935円(定価)と約3倍ほど価格差があるため、プライスタグの確認を忘れずに。
続いては、ランサーエボリューションVI GSR。
99年1月下旬発表の初期型をそのまま再現している。
近年のトミカプレミアムの特徴である、フロントとリアのナンバープレート再現はもちろん、スポイラーや灯火類の表現もより一層パワーアップし、まさに量産バージョンのトミカリミテッドヴィンテージといった雰囲気。
ホイールも多スポークをものともしない細かな造形。お好みでスミ入れし、ディテールアップを図るのも良いだろう。
エボVIのバリエーションはこの他、発売記念仕様とtomicaトランスポーターの付属の2バリエーションが存在。後者はGT-Rと同様の2,640円(定価)と少々値が張るが、新品で購入可能だ。
最後は今月20日に発売されたばかりのニューモデル、S15型シルビア。
99年1月下旬発表当初のSpec-R AEROをそのまま表現している。
既にプレミアム登場前に通常トミカのギフトセットで登場済みだったが、前後灯火類の別パーツ化やリアスポイラーのハイマウントストップランプ表現で確実にギフトセット時代よりリアリティを増した、コンパクトかつ精巧な作りとなっている。
なお発売前からタカラトミーモール限定のホワイトカラーのバリエーション追加が告知されている。価格は通常935円(定価)に対して1,100円と少し高めだが、魅力的なのには間違いない。出たばかりのモデルであるため、今後のバリエーション展開にも期待したい。
今回紹介したクルマの内、スカイラインGT-Rとシルビアには左右ドア開閉ギミックが装備され、遊びの幅も広げるような作りとなっている。
近年では当ギミックも縮小傾向にあるため、これもひとつの魅力といっても過言ではないはずだ。
筆者的 今後の予想
今回は現行トミカプレミアムのラインアップにおいて、偶然そろった「1999年1月生まれのクルマ」を特集してきた。ここから考える筆者的今後の予想は、
「2007年」
「スペシャルティ全盛期の80年代から90年代前半」
この二つのカテゴリーで、今回のように同い年のクルマとして並べられるようなものが増えていくのではないだろうか。
というものである。
2007年生まれは既にCZ4A型ランサーエボリューション、FD2型シビックタイプRの2車種が現行で揃えられ、まだ出ていない2007年生まれスポーツカーも、GT-RやGRB型インプレッサWRX STIなど多数あるため、80~90年代前半は、現状シティとセリカXXの1981年でのコンビしか出来ていないが、2代目MR2やノーマル180SXなどプレミアム化されていない有名モデルは多く、昭和62年から平成元年間で現行同い年ラインアップがありうると考えたため、このような予想とした。
改めてではあるが、この予想は個人の勝手なものかつ登場年被りという要素だけで考えたものであり、今後の新製品の傾向を保証するものでないことをご理解いただきたい。
最後に
約100日ぶりの更新となった特集企画、ミニカージャンクション。
登場年は被ることはよくあっても、登場月まで被るものはそう無い。これも車種自体の根強い人気や、開発側の秀逸な車種選択が重なりあった結果なのだなと、この特集を記しながら筆者的にも新たな気付きを得られたラインアップであった。
今後も新登場や廃盤に一喜一憂しつつ、トミカプレミアムの製品に注目していきたい。